コンタクトレンズ処方箋について

【眼科医が説明】なぜ、コンタクトレンズの処方箋を出さない眼科があるの?

2023年4月13日

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これには、様々な理由があります。私が思いつく理由として3つあります。

処方希望のレンズが院内にない場合

コンタクトレンズ処方箋を発行する場合は、そのレンズを目にのせて、レンズの動き(フィッテング)と見え方を確認して処方します。

そのために、処方するレンズが院内にないと、「処方ができない」となってしまいます。

「度数だけ教えてください」と希望される方が多くいますが、処方箋(指示書)には、必ずレンズの銘柄を記載することになっており、院内にある別なレンズで合わせると、その別なレンズの処方箋になってしまいます。

同じ度数でも、レンズの種類によっては微妙に見え方が変わるため、この度数でどのレンズを買っても大丈夫です、との説明はしないのが通常です。

さらに、レンズの相性はかなりあるため、あるレンズで調子がよくても、別なレンズではゴロゴロして使えないこともあり、度数がわかるからといって使ったことのないレンズをいきなり買ってしまうのは、やめた方がよいでしょう。

眼科医のポリシーの問題

インターネットでコンタクトレンズを買うことに反対する眼科医が少なからずいます。

もしかしたら、ほとんどの眼科医が反対しているかもしれません。

理由は別の記事で書きましたが、そのような眼科医が(患者さんのことを考えて)、処方しないこともあると思います。

ちなみに、私は注意事項を十分説明して、処方箋を発行します。どこで買うかは、今のご時世、患者さんの自由だと思うからです。

提携している販売店がある場合

多くの眼科の開業医は、自身で経営するコンタクトレンズショップ(以前は別店舗にしなければならなかったのですが、今は院内で普通に販売できます)や、提携するチェーン店のコンタクトレンズ販売店(有名なところだと、アイシティさんやハートアップさんなど)があり、そこでのレンズの購入を勧めています。

それは、処方後に見にくいとかゴロゴロするなど、調子が悪い場合に、返品や交換などの対応の融通がきくからというのが、最も大きな理由だと思います。

自身が経営していなくても、提携関係にあれば、何かしら、患者さんのためにできることがないかを相談することができます。

コンタクトレンズ処方は、簡単なようで奥が深く難しいです。

疲れて夕方に受診された方は、度数を強めに入れないと見にくさが残り、若干強めの処方になることもあります。

患者さんの希望で遠くが良く見えるようにすると、近くが見にくくなったり、疲れずに近くが見たいからといって弱めの度数にすると、車の運転で看板が見えないので、やっぱり戻してくださいとか。

院内の見え方と、実際に生活環境での見え方も同じではありません。

もちろん、これは言い訳ではなく、どのスタッフも、どの眼科医も、いつも完璧を目指して処方しています。

このような時に、コンタクトレンズ処方箋を発行してしまい、眼科医がどうすることもできないインターネットのお店で買ってしまうと、合わなかったときにどうすることもしてあげられないことが、心ぐるしいのです。

もちろん、自身のコンタクト販売店や提携している販売店の売上が多いに越したことはありませんが、財布が一緒のことも別のこともあり、一概にそれが理由とは言えません。


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コンタクトドクター

はじめまして。 コンタクトレンズ診療メインの眼科医をしております。 年間1万人以上の方のコンタクトやカラコンの処方を、かれこれ20年近く続けてきました。 このサイトに訪れる方すべてに対して、普通の眼科医以上にわかりやすく、できれば語りたがらない内容についても、赤裸々に情報を提供したいと思っております。

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